Aave・CompoundなどがほとんどのRWAトークンを担保としてサポートしない根本的な理由は流動性の問題です:清算時にプロトコルは担保を素早く売却する必要があります。Flux FinanceがOUSGをサポートするのはOndoがT+1の一次市場換金を保証するからです。
セカンダリーマーケットの流動性が薄い根本的な原因はERC-3643のダブルホワイトリスト制限です:売り手も買い手もホワイトリストに載っている必要があります。これを解決するパスは2つだけです:ホワイトリストのカバレッジを拡大するか、一次市場の換金コストを十分に低くして機関投資家が「最後の買い手」として機能するようにするかです。
流動性プレミアムは異なるRWAトークンを評価する際に最も見落とされがちな価格設定の次元です。歴史的な流動性危機(2020年3月・2022年11月のFTX崩壊)期間中、流動性の低い資産のセカンダリーマーケットのディスカウントは10〜20%に達しました。
2027〜2030年のRWA流動性改善パスの予測:トークン化国債の流動性はマネーマーケットファンドに近づきます(ホールセールCBDCが成熟した後にT+0換金)。トークン化プライベートクレジットの流動性改善は最も遅い。
RWAトークン化の文脈で最も頻繁に誤解される主張の一つが「流動性の向上」である。しかし、正確には「トークン化は所有権証明書の流通をより容易にするだけで、原資産の流動性は変わらない」。建物をトークン化しても、その建物が48時間以内に合理的な価格で売却できるようになるわけではない。
RWAトークンの流動性を評価する際、2つのレイヤーを分けて考えることが重要である。
トークン層の流動性 OUSG(Ondoの米国債トークン)は技術的には24時間365日、ホワイトリストに登録された任意のアドレスに転送可能である。
原資産層の流動性 OUSGの原資産はSHV ETF(短期米国債ETF)であり、各営業日にNAVで償還できる。一方、原資産が商業不動産であれば、その建物を48時間以内に合理的な価格で売却することは不可能である。
この2層構造の理解なしに流動性を語ることはできない。
ERC-3643(RWAトークンで一般的に使われるコンプライアンス準拠のトークン規格)の二重ホワイトリスト制限が主な原因である。トークンの売り手と買い手の双方がホワイトリストに登録されている必要がある。任意の時点で、合理的な価格で購入しようとするホワイトリスト登録済みアドレスの数は限られており、通常のERC-20トークンと比較して売買スプレッドが広くなる。
解決策は2つ考えられる。一つは、より多くのDeFiプロトコルが採用することとKYC済みユーザーを増やすことでホワイトリストのカバレッジを拡大すること。もう一つは、一次市場の償還コストを低下させることで、機関投資家がトークン保有者として「最後の買い手」として機能するようにすることである。市場で割引が生じた際、機関投資家の裁定取引者が割引価格でトークンを購入してNAVで償還する動きが、それ自体で流動性を生み出す。
RWAトークンの流動性を得る方法は主に4つある。
1. 一次市場償還(最も信頼性が高い) 発行者から直接NAVで償還する方法。OUSGやBENJIはT+1(翌営業日)で対応している。最もリスクが低く、信頼できる流動性源である。
2. DeFiレンディングプロトコル OUSGをFlux Financeに預け入れ、USDCを借り入れることで、トークンを売却せずに流動性を得る方法。借入金利と清算リスクがコストとして発生する。MakerDAO等のプロトコルがRWAトークンを担保として受け入れることで、この経路の重要性が増している。
3. 二次市場 DEXやCEXでバイヤーを見つける方法。トークン化国債は比較的取引が活発だが、商業用不動産はほぼ板がない状態である。
4. ホワイトレーベルプール(新興) 一部のプロトコルが機関投資家向けに整備しつつある流動性供給の仕組み。まだ発展途上である。
| 資産クラス | 一次市場 | 二次市場 | DeFi対応 | 総合評価 |
|---|---|---|---|---|
| トークン化国債 | T+1 | 比較的活発 | あり(OUSG等) | 最良 |
| トークン化ゴールド(PAXG等) | 取引所経由 | 活発 | あり | 良好 |
| プライベートクレジット | 償還待ち(月単位) | ほぼなし | 限定的 | 不良 |
| 商業用不動産 | 数ヶ月〜 | 極めて薄い | ほぼなし | 最悪 |
RWAトークンを評価する際、流動性プレミアムが見落とされがちである。例えば、トークン化国債の4.5%とトークン化プライベートクレジットの12%の差は、信用リスクプレミアムと流動性プレミアムの両方を反映している。流動性の低い資産を受け入れる投資家は、その分の補償を受け取るべきである。
重要な問いは「市場が付けた流動性プレミアムは、緊急時の流動性損失を十分に補償するか」である。歴史的には、流動性危機(2020年3月、2022年11月FTX崩壊)において、非流動性資産の二次市場割引が10〜20%に達したケースがある。これは平常時に積み上がった流動性プレミアムをはるかに上回る損失となった。
主要なDeFiレンディングプロトコルがRWAトークンのほとんどを担保として受け入れないのは、清算時の流動性懸念があるからである。担保を清算する際、プロトコルは資金を回収するために資産を素早く売却する必要がある。二次市場の深さが不十分であれば、市場パニック時に清算ボットが買い手を見つけられず、プロトコルに不良債権が残る可能性がある。
Flux FinanceがOUSGを担保として受け入れるのは、OndoがT+1の一次市場償還を保証しているからである。最悪のケースでも1営業日待てば清算できるという保証があるため、管理可能なリスクとなる。
あらゆるトークン化資産に投資する前に、以下の質問に答えられるかを確認する必要がある。「緊急時に、どのくらいの速さでどのくらいのコストでUSDCに戻せるか?」
この答えがその資産のポートフォリオにおける役割を決定する。